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いよいよ、稲が穂を出した。
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隣の立派な田んぼとついつい
比較してしまって
焦って肩に力が入ってしまっていたけど
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ふと
上から下へ ただ流れていく水を見ていて
ああ、人間も7割これなんだなって思ったら
焦ってもしょうがないじゃ〜ん、ってなった。笑
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始めて田んぼに水を入れた日。
あたりはもう真っ暗なのに、
満月の光を受けて一生懸命にすすんでいく
水の姿から目が離せなくて
真夜中まで火をたいて、
ひたすら水のあとをついていき、
ワクワクしていたあの日。
ああ私はこの日のことを、
いつか人生の幕を閉じる直前に
思い出すだろうな、って思った。
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「豊かさ」っていうのは
そういう瞬間をどれだけ
自分の中に持っていられるか
湧き上がらせることができるか、
なんじゃないだろうか。
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つまりそう、
あるがまま、なすがまま
水のようにするすると流れていきながら
頼まれてもないのにきらきらと、温かく
火のように生き生きと、周りを照らす。
(考えなしに近づくと、やけどしてしまう。それもまあ愛嬌かな)
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いろんなこと
つい難しくしてしまったり
正解を探そうとしてしまいがちだけど
行き着く先は、結局ここ。
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時代がどんなに変わったとしても
大丈夫。
たいていのことじゃ死なないし
自分がどこから来てどこへ向かうかも
きっとわかってる。
だからその声をよく聞いて
恐れないで 戦わないで
にっこりと進んでいったらいいのだと思う。
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なーんつって。
はあ、田んぼの魔力、恐ろしい。