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私はなぜUターンして「地域おこし協力隊」になったのか

 

4月1日付で、都留市地域おこし協力隊になりました。
また同日付で「古民家ゲストハウスあわ」の開業届も提出し、
個人事業主となりました。

今日はわたしがこの選択に至った経緯・理由と、
これからやろうとしていることを全部こちらに書き記したいと思います。

 

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もくじ

「地域おこし協力隊」とは

 そもそも「地域おこし協力隊」ってなんなの?職業??って方のために、概要おいておきますね。
 
 
地域おこし協力隊とは人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。
これだけだと漠然としてるので、もうすこし具体的に書くとこんな感じです。
 
  • 国から1人あたり1年で400万円の予算がおります。任期は最短1年、最長3年。
  • 都留市の場合、月額166,000円の報酬と社会保険雇用保険・厚生年金完備、家賃補助5万まで/月、引越してくる場合には引越し補助7万までが、400万円/人の予算の中から支払われます。
  • その他、車のリースや各々の活動の資金として、残りの額を自分で予算立てして活動を行っていきます(所属課の職員さんと相談しながら)。
  • 活動時間外での副業が認められています。私はそこでゲストハウス運営と、コーチとしての活動をしています。
  • 募集は地方自治自治体単位で行われます。都留市の場合、都留市役所企画課(移住・定住促進)に3名、産業課(産業進行)に私含め3名の隊員が在籍しています。
 

「協力隊」に対する問題意識

 
制度がスタートして約5年。
任期を終えた元隊員の方々の、その後がだんだんと報告されるようになってきています。
もっとも理想的とされているのは、派遣された土地に馴染み、定住して起業し雇用を作り出すこと。
地域の起業に就職したり、その土地の伝統工芸を継承すべくNPO職員になる方もいるそうです。
 
その一方で、少なからずこんな声が聞かれていることも無視できません。
 
 
 
なぜこんなことが起こるのでしょう。それにはれっきとした理由があります。それは
「地域おこし協力隊」の受け入れ予算が国(総務省管轄)からのお金であり、
受け入れ市町村は腹を傷めることなく人材を確保することができる仕組みだから です。
 
多くの市町村をはじめとした受け入れ組織に「採用力」がないのです。
わたしが定義する「採用力」とは
・組織の理念、ビジョンに根ざした目指す未来の姿があり
・その「未来の姿」を実現するために必要な人材の要件を定義し
・既存メンバーのコミットメントの元に「この指とまれ」の指を出す力
・そして、指にとまってきた人たちの中から最もその職にふさわしい人物を見極め、育てる力
と考えています。
 
前職で採用コンサルティングに携わっていた身として、実感を持っていますが
正直これ、一般起業にさえまだ浸透していない、難易度高い人事戦略なんですよね。
 
しかもこの「採用力」って「リーダーシップ力」にも置き換えられると思います。
何につけてもまず、これを推し進めていく「主体」が絶対に必要になる。
 
その点民間企業は「経営者」や「採用担当」がその役割を担うことに自然となるので
むしろ「主体」という言葉をとにかく避けるお役所とは、相性がよくないのかもしれません。
(最近は民間の血の入ったベンチャー的自治体も話題に上がってきてますよね。西粟倉村とか)
 
就職・採用は恋愛ではなく、結婚。とよく言いますが
円満かつ生産的な結婚生活を営むことのむずかしさは、
経験されていらっしゃる方も多いとおもいます。
 
この「採用力」が非常に残念な、あるいは「ない」自治体が多すぎるのです。
わたしはそこに危機感というか、違和感を覚えました。
 
自分たちが日々払っている税金の一部が、
モラトリアムな人たちの「やりたいこと探し」に使われている。
真摯に自分と向き合い、活路を見出そうと奮闘しているならまだしも
正直申し上げて、そこまでの熱意を感じることができない。
もっというと、都会の一般企業や組織でうまくやっていくことができなかったから
「流れてきた」んじゃないですか?と感じてしまうこともあり
すごくもやもやしていました。
 
昨年9月から今年3月末まで、市役所で臨時職員として働く中で
協力隊の人、臨時職員のお給料よりもたくさんもらっているのに、わたしの方が仕事してる…とか
すごくイライラして、旦那さんに電話で八つ当たりしたこともありました(ごめんよ)。
 
そういう「逃げ道」が一つや二つ、存在したっていいんじゃない?という声も聞こえましたが
わたしはどうにも納得いかなかったし、かといってこのままモヤモヤを抱えたまま働き続けるのも
精神衛生上よろしくないと。
 
そこでわたしが考えたのが、
「自分が地域おこし協力隊になる」ということだったのです。
 

自分で自分を採用する

 
ちょうどその当時、わたしは東京に住む彼からプロポーズを受け、結婚する予定でした。
ただ、ふるさとである都留市に戻ってきて、都留がどんどん好きになっていた時期でもあり
東京に戻って専業主婦、あるいは転職、というのもあまりイメージがわかず悩んでいた時期でした。
とはいえ、当時一時的に住んでいた実家にも、ずっといようとはどうしても思えず。
 
そんな時偶然、仲良くさせてもらっていた都留の知人が引っ越すことになり
住んでいた築80年の古民家を借り受け、そこで民泊をすることになりました。
 
引越しが決まったのが11月。冬は寒くて民泊はオフシーズンになるため、
4月から正式にスタートしていくために、旅館業(簡易宿所)の営業許可をとったり
そのための準備をスタートさせました。
 
それと同時に、市役所産業課長に相談をします。
旅館業をスタートさせたら、副業になってしまう。
市役所の職員規定に反するので、
開業と引き換えにこちらは退職させていただくことになると思います、と。
またその時いっしょに、結婚する予定(年末に入籍するつもりでした)であることも伝えました。
すると課長は「少なくとも年度末までは、臨時職員は続けて欲しい」とのこと。
あっさり退職になるかと思っていたら、思わぬお言葉。
 
市役所の中に入って働かせてもらうことで、学べたこともたくさんあったし
いっしょに働く課のみなさんがとても良い方達ばかりで、
お別れになってしまうのもさみしいなと思っていたところだったので、
「しめた」とばかりにわたしのあたまはフル回転。
 
結果、こんなプロセスで推移していきました。
 
・1月:入籍と同時に、東京都品川区に籍は移す。都留の拠点は実家→古民家に移動
・年度末まで、臨時職員は続ける(東京⇄山梨のに拠点生活)。
・旅館業(簡易宿所)営業許可取得
・4月あたま付で、地域おこし協力隊になる
・再び、都留市に住民票を戻す
 
自分が来年度から「地域おこし協力隊」として活動したいと思っている旨をまず課長に相談し
本当にありがたいことに、所属課の上司が、協力隊増員の決済をとってきてくれたのです。
これは、半年間の市役所臨時職員勤務でもやもやしながらも自分なりに真摯に仕事して、
上司の方々からの信頼を少なからず得ることができた結果だと思っています。報われた。。
 
その分、募集要項の作成、受験、採用通知の発行、活動目標と予算の策定、採用までの段取りなどは
上司に相談しながら、ほぼ全て自分でやりました(笑)。
それどうなの?と思う反面w、任せてもらえることへの感謝の方が勝ってました。
そして無事、4月3日付けで「都留市地域おこし協力隊」として委嘱をうけることができました。
 

Uターンで地域おこし協力隊をすることのメリット

 
地域おこし協力隊となる要件の一つに「三大都市圏をはじめとする都市地域に在住し、採用後活動地域に生活の拠点を移し、住民票を異動できる方 ※三大都市圏をはじめとする都市地域…条件不利地域(過疎法、山村振興法、離島振興法の指定地域)以外の地域に住んでいる方が対象」という項目があります。
これはなにも、都市で生まれ育って「田舎」のない人が、一念発起して自分の力を発揮するために、見ず知らずの土地に赴く構図に限ったことではないと思います。「Iターン」というやつですね。
 
実際にこれで成功している方もいらっしゃいますし、
Iターンの方々のことを悪く言うつもりはさらさらないのですが、
ただなんの後ろ盾も人脈もない田舎に「Iターンする」って、
けっこうギャンブル的なところがあると思うんです。
その土地に馴染めるかどうかって、実際にそこに根を下ろしてみないとわからないものですし
ましてや地元の人から見たら、外から来た人はどこまでも「よそ者」なんですよね。悲しいけれど。
 
だから本当の意味での信頼を獲得していくのには時間を要しますし、
協力隊の任期である3年間でそれができる人は、ほんとうにすごいと思います。
実際、3年経った後その人が土地に定住してくれるという保証がない中で、
畑を貸したり、家を貸したりすることのできる地元の方の方が珍しいのではないでしょうか。
協力隊ではなくても、移住してきて何年もコツコツと地元の人との信頼関係を築いてきた方々と
仲良くさせてもらっていますが、その努力にはほんとうに頭が上がりません。
 
その点、地元で育ったUターン者であるわたしは、ありがたいことに相当動きやすいです。
良くも悪くも、逃げ道がありません。逃げも隠れも出来ないので、悪いことのしようがないし(笑)。
 
「1200万あげるから帰ってこいよ」って言われたら
地元そんなに好きじゃなかったとしても(わたしは好きですよ!笑)、
ちょっとUターン考えますよね。
でもどうしてUターン地域おこし協力隊が、
まだそんなにメジャーじゃないのかなぁ?っていう素朴な疑問。
 
これは先日、芦川村農家民宿を開業予定のYさんから
Facebook上でやりとりしていた頂いたコメントです。
 
 
Uターンの地域おこし協力隊があまりいないのは、
採用する行政担当部署が地域特有の「噂」を恐れているのではと思っています。
総務省が費用負担している事業で、基本的に3大都市圏在住者が条件になっているので「何であそこの娘が息子が採用されるのか?誰かの口利きではないか」みたいなことが影響しているのではと思います。
従来から様々な場面で口利きが大きな影響力を持って来た行政組織のツケですね。採用担当は、無意識に反発が起きないであろう地縁がない人材を選んでしまっているのではと感じます。
 
信頼関係を基盤とした、地域コミュニティ再構築できないかなと思っています。
競争による成長を優先して来たことで利権とか不正が起きることを前提にした行政と市民の関係からは、「持続可能(幸せ)な地域社会」を生み出すことは難しいかなと思います。
「地域おこし」は、地元出身者や孫世代など地縁がある人が帰りたくなる地域づくりを意図する必要があると思います。
地縁があるなしに関わらず、目的を達成するための最適な人材を採用できなければ、
何年かけてもいくら投資しても「幸せな地域社会」には近づけない気がします〜
その意味でも奈良さんが良い事例をつくり、
「Uターンなど多様な協力隊の可能性」を開いてもらいたいなと思います。
 
 
 
文字通り膝を打ちました。Yさんほんとうにありがとうございました。
そうだよなぁ、これからだなぁ、といま、自分の置かれた場所のありがたさと可能性とを
しみじみ感じているところです。
 
 

なにをしようとしているか:「持続可能な地域社会」を目指して

 
自分の地元のことを知ること、生まれ育ったまちを好きになることは
自分自身を好きになることとも繋がっているなって思います。
 
つるに来ることで、わたしの生き方暮らし方を見てもらうことで、1人でも多くの人に
「ああ、暮らして自分でつくれるものなんだなぁ」「自分の人生の主役は自分自身なんだなぁ」
ってことが伝わったら嬉しい。
そしてさらに、そんな「人生の旅」をご一緒することのできる仲間が増えていったらもっと嬉しい。
字面だけの「移住・定住促進」ではなくて。もっと深いところにアプローチしていきたい。
行政だのみにして、ただ受け身で文句だけ言って生きていくだけが人生じゃないよって。
そこに風穴をあける存在でいられたらなって思ってます。
 
この3年間でわたしは、以下のことに挑戦するつもりです。
実際に市役所に提出した活動計画より抜粋。
 

1)農泊推進事業
土休日は都市部在住者、平日はインバウンド観光客を対象とした古民家宿の運営を自宅にて実施予定。(旅館業・簡易宿所としての営業許可取得済:2017年4月より営業開始)。「農泊」推進の取り組みの一環として、市内の空き家や農家の観光客受け入れ態勢整備に寄与して参りたいと考えております。

 

2)田舎暮らし体験・古民家修繕ワークショップ企画・運営
1)の事業と関連して、都留を訪れる観光客、都留文大生などの「移住予備軍」とされる人たちに、都留市を「第二のふるさと」として認識してもらえるような土壌づくりを行っていきたいと考えています。
具体的には、古渡地区・三枝邸(築120年の茅葺き古民家)の再生プロジェクトへ参画し、その活動の一環として古民家の修繕ワークショップ・農業体験イベント等の企画運営を行いたいと考えております。

 

3)道の駅つるとの連携
古民家修繕、農業体験ワークショップ企画の折に、
これらの活動を道の駅つると連携し実施(食材の購入、ツアー集合場所、研修場としての使用等)してゆくことで、道の駅を地産地消、および地域住民と観光客との交流拠点として発展させていくことを意図してまいります。

 

その先に見ているものは
・「まずは自分から」世界をよりよくしていこうとする仲間とつながること
・自分の人生を自分でデザインする。「リーダー」を育てる場所に、自分自身がなること
・それをまず「自分の幸せありき」で実現すること
・正しいよりも、楽しく生きること
かな。ふわっとしていますが。
 

と、いうわけで

 
2017年。ようやく本腰入れてスタートって感じのわたしです。
メインはこの3本柱。
 
 
・ゲストハウス、絶賛予約受付中ですのでぜひ泊まりにいらしてください!新宿から90分で来れます★
 
 
・月に1回、新宿御苑のカフェオーナーやってます。語りましょ、生き方はたらき方。
 
・メールコーチングもやってます。他愛もないお話から人生相談まで。離れていても、そばにいるよ。
 
あっ違う、4本だ。
 
・つるで畑をやっております。ここは壮大な実験室。パーリー農業、お手伝い大募集!
 
 
そんなわたしの奮闘記、今後もどうぞお楽しみください。