ならみおダイアリー

27歳で会社を辞めて、地元山梨県都留市にUターン。地域おこし協力隊 / 古民家ゲストハウスオーナーをしています。

ある土曜日の午後に


午前中は、はのさち自然農園の稲刈りへ。いつもより少人数だったけど、皆で和気あいあいと作業できたのは変わらず。こういうイベントが日常になっているあたりが豊かだなぁと感じる。

 

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いまは幕張メッセで今夜あるサカナクションのライブに向かっている。旦那さんがチケットを取ってくれたものだ。2時間と少しの移動距離も、こうして楽しい予定ばかりだと全く苦ではない。

 

二拠点生活。


農作業して、秋空を見上げて深呼吸して、行き帰り違う道を運転して、景色の変化をチェックして。高速バスの中では音楽を聴いて、瞑想して。そしていまはこうして電車移動しながら文章を綴る。なにひとつ不自由がない。豊かだな。

 

お金が沢山あるわけではない。貯金は30万円もない。住む家があって、安定した収入をいただけるのは期限付きであと2年だ。
1年と少しまえ「居場所がほしい」といって帰ってきたこの都留のまち。何かに駆り立てられるかのように、人との出会いをたどり、行動し、そしていま。気がついたらここにいる。いろんな人に応援してもらったり、助言をもらったり、関わってもらったりしてきた。ただ常に、そのチャンスをものにするかどうか、決断してきたのは自分だった。いろいろ葛藤したり悩んだりするなかで、ぶれにくくなったなぁと思う。

 

最近、時間軸が自分の中でぐにゃりと曲がってるように感じる。少し前のことが遠い昔のように思えて、逆に10年前とか、けっこう昔のはずのことが急にきのうのことのように蘇ってきたりしていて、せわしない。そのたびに試されている感じがする。呼吸を整えて、ただ自分といる。ハートの声に耳を澄ます。

 

一昨日うちでやった読書会でエーリッヒフロム「愛するということ」を皆で読んで、あらためて、みんなそれぞれに「愛」ってなんだろうに向きあっているのだということを感じた。葛藤していたり、踏み込むことへの恐れがあったり、果てしない修錬の道であると知り愕然としつつも、そこをなんとかして乗り越えたい、乗り越えてみたい、と思っていたり。その全てが美しく、尊いなと思った。そしてそれは、自分自身もまた然りで。

 

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大人になるにつれ、私だけだと思っていた孤独は、誰もが抱える種類の感情だと知った。孤独じゃないふりをするのがうまい人と、そうでない人がいるだけだ。 ーはあちゅう「世界が終わる前に」

 

私はこうやって、誰かとなにかを共有することで自分の立ち位置を確かめているなぁと思う。
そしてこの旅は一生終わることはないのだな、と思う。どこにいても、なにをしていても、結局私は私で、こういう存在なんだ。ただそれだけだ。

 

ふいに、親しい友達から送られて来たことば。
坂村真民という人の詩だそうだ。

 

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「バスのなかで」

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この地球は

一万年後 

どうなるかわからない

いや明日

どうなるかわからない

そのような思いで

こみあうバスに乗っていると

一人の少女が

きれいな花を

自分よりも大事そうに

高々とさしあげて

乗り込んできた

その時

わたしは思った

ああこれでよいのだ

たとえ明日

地球がどうなろうと

このような愛こそ

人の世の美しさなのだ

たとえ核戦争で

この地球が破壊されようと

そのぎりぎりの時まで

こうした愛を

失わずにゆこうと

涙ぐましいまで

清められるものを感じた

いい匂いを放つ

まっ白い花であった

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まっ白い花を腕いっぱいに抱えて
今日もにっこりと生きていきたい。